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令和3・4年度 千代田区教育委員会 研究協力校

千代田区立九段小学校

研究特設サイト

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2022

千代田区立九段小学校

研究主題

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共に考え、学び続ける姿を目指して

~「学びに向かう力」を高める授業づくり~

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2050年(30年後)に活躍する人って、

どんな人なんだろう。

 今、私たちの前にいる子どもたちは40歳頃になり、社会の第一線で活躍する年代となることでしょう。政府資料によると、2050年には、少子高齢化や社会の多様化、技術革新が進み、現代とは異なる様々な問題が起こると想定されています。 

 2050年(30年後)に活躍する人は、様々な問題に向き合い、他者と共に考え、生涯にわたって学び続けることができる人ではないでしょうか。

 本校の子どもたちには、今の学びを将来の学びへとつなげてほしい―。

生涯にわたって、他者と共に考え、学び続ける人となってほしい―。

 

 そのために私たち教師は、今、何をしなければならないのか。

 こうした問題意識から、本研究は出発しました。

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本校の子どもたちの実態

 2050年(30年後)の未来に求められている姿から現在へとさかのぼって、今の本校の子どもたちの実態を見つめ直したとき、


 失敗を気にする

 すぐにあきらめる

 自分の考えを言おうとしない

 声の大きい児童に同調する


といった、学習に向かう態度面や行動面に課題があるということが本校の多くの教師の実感としてありました。

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生涯の学びを支える「非認知能力」

 学習に向かう態度面や行動面に課題がある本校の子どもたちにとって、今、教育で必要なことは、意欲協調性粘り強さといった、テストでは測ることのできない「非認知能力」の育成であると考えました。

 学習指導要領に示された育成すべき資質・能力の3つの柱のうち、主に「学びに向かう力・人間性等」「非認知能力」にあたります。

 私たちは、この「学びに向かう力」を日々の授業を通してどのように育むのかということに焦点を当てました。

参考:中山芳一「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」(2018)東京書籍

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研究主題

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共に考え、学び続ける姿を目指して

~「学びに向かう力」を高める授業づくり~

 2050年(30年後)の未来で活躍する人は、様々な問題に向き合い、他者と共に考え、学び続ける人であると考えます。そのような人こそ、今の九段小の子どもたちが目指すべき姿と捉え、研究主題を「共に考え、学び続ける姿を目指して」と設定しました。

 その姿の実現のために、今、本校の子どもたちに必要な「学びに向かう力」を高めることに焦点を当て、その授業づくりの方策を示すことを本研究の柱とします。

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「学びに向かう力」をどう見取るのか?

 日々の授業において教師は子どもたちの「学びに向かう力」を見取り、評価しなければなりません。そのためには、「学びに向かう力」を活用・発揮している子どもの姿を具体的にイメージしておく必要があります。

 まずは、3つの学校教育目標をもとに、本校の目指す子どもたちの姿を見つめ直すこととしました。

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学校教育目標

 次に、育成したい「学びに向かう力」をイメージするうえで、性格特性BIG5と言われる五因子(外向性協調性誠実性開放性安定性)を参考にして、本校が育成したい「学びに向かう力」を言語化することとしました。

性格特性BIG5

外向性

協調性

誠実性

開放性

安定性

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参考:田村 学「学習評価」(2021)東洋館出版社

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九段小で育成したい「学びに向かう力」

 子どもたちの実態、学校教育目標を見つめ直し、性格特性BIG5を参考にして、特に外向性協調性誠実性に焦点を当て、上記の3つの力に整理しました。

 令和4年度は、各学年、各教科等の授業の中で、この3つの力のうちどの力を育成していくのかを考え、授業づくりを行うこととしました。

 本校で育てたい「学びに向かう力」を育成するにあたり、本時で目指す児童の姿を明確にした上で、授業の中で特に右記の3つの活動を意図的に設定しました。

本時で目指す児童の姿を明確化

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課題を設定する


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協働的な活動を設定する


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振り返る活動を設定する


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研究仮説

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目指す児童の姿を明確にし、

それに応じた課題設定を行い、

他者と協働して課題解決を図る活動と、

自己の学びを言語によって振り返る活動を取り入れた授業実践を行うことで、児童の「学びに向かう力」を育むことができるであろう。

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研究構想図

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引用元:「新しい学習指導要領の考え方」文部科学省

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研究内容

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「学びに向かう力」を高める授業づくりの手順

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 「学びに向かう力」を高める授業づくりの手順をステップ1~7としてまとめました。

 令和4年度は、この手順に沿って、授業づくりを進めていくことにしました。

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1

その教科・単元で育成すべき

「学びに向かう力、人間性等」を確認する。

 各教科等における学習指導要領の目標及び内容を基に、その単元で育成すべき「学びに向かう力、人間性等」を確認する。

※学習指導要領の目標及び内容に示されていない教科もある。その際は、国立教育政策研究所の資料『指導と評価の一体化』の学習評価に関する参考資料」を参考にする。

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2

本時で高めたい「学びに向かう力」を明確にする。

 1で確認した「学びに向かう力、人間性等」と、「令和4年度 九段小の子どもたちに育てたい『学びに向かう力』」を照らし合わせながら、本時で特に高めたい力を決定する。

 それぞれの力に応じて、本時の学習活動で期待する態度を右図の例を参考にして具体的にイメージする。

令和4年度 九段小で育成したい「学びに向かう力』

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  • 進んで自分の意見を伝えながら~
  • だれに対しても同じように伝えながら~
  • 様々な人に伝えながら~
  • 新たな考えをもって伝えながら~
  • 相手と違う考えであっても~

など

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  • 他者とやりとりしながら~
  • 互いの意見を生かしながら~
  • 考えの違いを受け入れながら~
  • 他者の意見を参考にしながら~
  • それぞれの思いを聞き合いながら~

など

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  • 目標に向かいながら~
  • 粘り強く何度も繰り返しながら~
  • 思った通りにできなくても~
  • 計画に沿いながら~
  • じっくりと丁寧に

など

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本時で目指す児童の姿を明確にする。

下記のフォーマットに沿って、本時で目指す児童の姿を明確にする。

フォーマット

「〇〇について(おいて)、△△しながら、□□しようとしている姿」


 〇〇は対象や状況、場面、△△には期待する態度、□□は「主体的に学習に取り組む態度」として表れてほしい授業における児童の行為を示す。


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筆者の挙げる事例について、

互いの意見や経験の違いを認め合いながら、

自分の知識や経験を伝えようとしている姿

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4

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課題を設定する


 授業の導入を工夫し、「他者と考えたくなる、追究したくなる課題」を設定する。ここで言う「課題」とは「学習課題」や「めあて」を指す。

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 ぼくが考えた「宝のありか」までの道順を、どんな風に友達に伝えたらいいかな…

第2学年 国語「ことばでみちあんない」より

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5

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協働的な活動を設定する


 育成したい「学びに向かう力」が活用・発揮されるように他者との協働的な活動を設定する。

 ここでは音声言語によるアウトプットを大切にした活動を展開する。


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 友達と見合いながら、本当に技の

ポイントができているか確かめよう。

第4学年 体育「マット運動」より

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6


 学びを振り返る活動を設定することで、学びの自覚化を図る。

 振り返る活動を通して、「できた!分かった!もうできる!楽しい!」といった学びに対する手応えの実感を得るとともに、その実感を得るに至った要因が浮き彫りとなるようにする。

 ここでは文字言語によるアウトプットを大切にすることと、発問等を工夫して振り返る視点を明確にする。

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振り返る活動を設定する


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 友達の考えを聞いたら、自分の考えが少し変わってきたぞ。

 紙よりタブレットの方が考えを書きこみやすいな。

第6学年 国語「時計の時間と心の時間」より

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本時の評価規準を設定する

 本時の評価規準(主体的に学習に取り組む態度)を設定する。

 「目指す児童の姿」として設定した言葉を使い、以下のようなフォーマットにする。

〇〇について(おいて)△△しながら□□しようとしている。

 評価規準の設定を通して、ここまで計画した学習活動が、目指す「学びに向かう力」の育成に

向かうものであるかどうかを見つめ直す。

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評価規準(主体的に学習に取り組む態度)の例

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筆者の挙げる事例について、

互いの意見や経験の違いを認め合いながら、

自分の知識や経験を伝えようとしている。

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授業づくりシート

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 授業づくりの手順に沿って「学びに向かう力」を高める授業(一単位時間)を構想できる「授業づくりシート」を考案しました。授業づくりの手順1~7に沿ってシート内の空欄を埋めていくことで、「学びに向かう力」を高める授業を構想することができます。

「授業づくりの手順」とともにダウンロードしていただき、明日からの授業づくりのためにぜひ使っていただけることを期待しています。

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検証授業

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5月 国語

第6学年「時計の時間と心の時間」

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6月 体育

第4学年「マット運動」

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9月 国語

第2学年「ことばでみちあんない」

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高学年分科会

本時で高めたい

「学びに向かう力」

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本時の目指す児童の姿

筆者の挙げる事例について、

互いの意見や経験の違いを認め合いながら、

自分の知識や経験を伝えようとする姿

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課題を設定する


「筆者の意図をとらえながら、自分たちにとって分かりやすい事例を考えよう。」

 「時計の時間と心の時間」という説明的文章において、筆者は科学的な事実を事例として挙げながら主張を論説している。このような事例を「難しい」「分かりにくい」という子どもたちの意見が出された。こうした意見を取り上げながら、「自分たちにとってもっと身近な事例を挙げられないかな。」「自分たちの事例を考えよう。」という課題の設定へとつなげた。

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協働的な活動を設定する


個々のノートと「ムーブノート」の活用

 自分の考えをノートに書いてから、タブレットのアプリケーション「ムーブノート」を活用して、互いの考えを共有した。タブレット画面に映し出された友達の考えと自分の考えを比較しながら、自分のを考えを深めていくことへとつなげた。

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振り返る活動を設定する


振り返りの視点

 本時では、互いの意見や経験の違いを認め合いながら学ぶことのよさを子どもたち一人一人が自覚することを期待している。そこで、振り返りを記述させる際に、

「みんなで考えたことで、どんなよさがあったか。」

と問い、振り返りの視点を明確にした。

検証授業の成果

「スクールライフノート」

(学びの天気)の活用

 タブレット端末内のアプリケーション「スクールライフノート」を使って学習の振り返りを行った。一単位時間の「めあて」に対する自己評価を行わせるとともに、振り返りをデータとして蓄積させることができた。

児童A

 事例1は、「分かりやすい例は」と書かれているので、そのまま「分かりやすい」と多くの人が思ったのだと思う。また、事例2は「分かりにくい」と回答した人が多かったが、朝、昼、夜のそれぞれの結果について説明もついていたので、私は分かりやすかった。

写真1 児童Aの前時の振り返り

児童A

 自分たちの事例を考えたことで、事例の理解が深まり、筆者の主張がより分かりやすくなった。私一人で考えると、思い付く例は少ないが、みんなで考えると、思い付かなかったことまで分かった。

写真2 児童Aの本時の振り返り

 本時で目指す児童の姿を明確にしたことで、児童の振り返りの記述から「学びに向かう力、人間性等」の評価を行うことができた。

 写真1は、本学級の児童Aの前時の振り返りである。写真2は、同じ児童Aの本時の振り返りである。

 前時では「事例が分かりにくいという友達もいたが、自分は分かりやすかった。」という記述をしている。児童Aは友達と自分との違いに目を向けることができているが、友達と一緒に考えることのよさを感じ取っているかどうかは見取ることができなかった。しかし、本時では、「みんなで考えたことで、説明的文章の理解がより深まった」ことや、出された友達の考えを受けて、「自分だけでは思いつかなかったことまで分かった。」という記述が見られた。

 このことから、児童Aは互いの意見の違いを認め合うことで、自身の理解がより深まったことを自覚していると見取ることができる。

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中学年分科会

本時で高めたい

「学びに向かう力」

本時で目指す児童の姿

互いの動きを見合い、考えを伝え合う活動において、

思った通りにできていないことが分かっても、自分の課題解決に向かいながら、練習に取り組もうとする姿

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課題を設定する


「自分ができるようになりたい技、できるようになりたいポイントを自分で選んで取り組もう。」

 どの技のどのポイントを練習するかを自分で決めさせるようにした。できるまであきらめずに練習し続けることも大切であるが、自分で自分の課題を調整し、取り組むポイントを変更しながら練習することも、自分の課題に向けてあきらめずにやり抜こうとしている姿と考えた。

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協働的な活動を設定する


動画アプリケーションの活用

  友達の試技を学習活動端末支援Webシステム「SKYMENU」を使って動画で撮影する。その動画をもとに、友達に技ができていたかどうかを伝え合う。

 ポイントを確かめたいときには、お手本の動画をタブレットで見合いながら伝え合う活動を行った。

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振り返る活動を設定する


振り返りの視点

 本時では、思った通りにできていないことが分かっても、自分の課題解決に向かって取り組むことのよさを児童一人一人が自覚することを期待している。 

 「見つけた技のコツは何か、自分の技は上達したか、どうして上達したか、どうしたら上達したか」という視点で振り返りを書かせた。

ワークシートの活用

 技のポイントがいつ、どのくらいできるようになったかが分かるようワークシートを工夫し、少しずつ自分の技が上達していることを実感できるようにした。

検証授業の成果

写真1 児童Bの本時の振り返り

 グループの中で互いの動きを見合う活動を設定したことで、「自分がまだできていないこと」や「できるようになったこと」を明確にしながら練習に取り組ませることができた。

 写真1は本学級の児童Bの振り返りの記述である。

 児童Bは、開脚前転を行う際に「足を開くことができない」という課題意識をもっていたが、「前よりいきおいがでた。」という記述から、技のポイントに着目し、本時でもあきらめずに自分の課題に向かって練習に取り組んでいたことを見取ることができた。

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低学年分科会

本時で高めたい

「学びに向かう力」

目指す児童の姿

地図をもたない相手に電話で道案内をする場面において、

進んで案内したり、注意深く聞いたりしながら、

対話しようとする姿

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課題を設定する


「友だちに話したり、聞きかえしたりしながら、力を合わせて宝をめざそう。」

 相手に分かるように、話す順序を考えながら道案内をすることを本単元の課題とする。

 本学習では、教科書掲載の地図ではなく、教師が作成した地図(写真1)を用いた。また、携帯電話の模型を一人一人に持たせ、地図を持たない相手に「宝のありか」を伝えようという課題を設定することで、「友達に案内したい」「相手の話を聞きたい」という意欲をもって伝え合おうとする姿を目指した。

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協働的な活動を設定する


写真1

3人グループでの学習活動

 グループ構成を3人とし、1人が案内役、2人が聞き役とした。

 電話のやり取りにおいて、分かりにくかった点を聞き返したり、2人で相談したりしながら、宝物の隠し場所にたどり着けるような対話をさせたいと考えた。

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振り返る活動を設定する


検証授業の成果

振り返りの視点

 本時では、道案内をする場面において、友達に話したり、聞き返したりしながら活動することを「進んで伝え合おうとしている」と捉え、そのよさを児童一人一人が自覚することを期待している。そこで、振り返りの際に、「友だちに話したり、聞き返したりしながら、力を合わせて宝を目指すことができましたか。」と問いかけることで、振り返りの視点が明確になり、児童の記述を促進させると考えた。

自己評価とその理由を記述

 振り返りが「楽しかった」などの感想だけで終わらないよう、自己評価を三段階の顔表情で表すとともに、その理由を書かせた。手応えの理由を言語化することで、学びの自覚化を図った。他教科の学習においても、日々振り返りを行うことで、達成感や充実感を感じ、主体的に学習に取り組む態度を身に付けていく。

写真1 児童Cの本時の振り返り

写真2 児童Dの本時の振り返り

 振り返る活動において、自己評価を三段階の顔表情で表すとともに、その理由を書かせた。それによって、学びに対する手応えとその手応えを得るに至った理由を言語化させることができた。これは「学びに向かう力」を高める上で大切な「学びの自覚化」を促すことへとつながる。

 写真1と写真2は本学級の児童C、児童Dの振り返りの記述である。

 児童C、児童Dは「笑顔」の顔表情を選んでいる。その理由として、児童Cは「聞き落としたときには(相手に)聞き返すとよいことが分かった。」「(自分の説明を)友達に理解してもらってうれしかった。」と記述している。また児童Dも「何回か質問をしながら、自分だけでなく友達もゴールまでたどり着くことができてうれしかった。」という記述をしている。どちらの児童も友達に進んで伝えようとすることのよさを自覚していることが分かる。

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令和4年度「授業づくりシート」を活用した教科等一覧

 本研究で考案した「授業づくりシート」を活用し、以下の教科等で検証授業を行いました。

一部の授業の授業づくりシートを公開いたします。授業づくりシートは、随時更新してまいります。

第1学年 生活「みずあそびをたのしもう」 

第1学年 算数「わかりやすく せいりしよう」 

第1学年 自立活動「夏休み思い出すごろく」 

第2学年 国語「ことばあそびをしよう」 

第2学年 国語「あったらいいな、こんなもの」 

第2学年 自立活動「ちがいはどこ?」 

第5学年 社会「水産業のさかんな地域」 

第5学年 国語「作家で広げるわたしたちの読書」 

第5学年 国語「新聞を読もう」 

第5学年 国語「敬語」 

第5学年 社会「米づくりのさかんな地域」 

第5学年 図画工作「魔法発見!コマドリアニメ」 

第3学年 総合的な学習の時間

     「私たちの住んでいるまちのお気に

      入りをしょうかいしよう」 

第3学年 理科「風やゴムのはたらき」 

第3学年 自立活動「あてはまるものはなに」 

第3学年 国語「ポスターを読もう」 

第4学年 国語「ランドセルは海をこえて」 

第4学年 国語「夏の楽しみ」 

第4学年 算数「算数で読みとこう 食べ残し

        をへらそう」 

第4学年 図画工作「ギョギョギョの魚」 

第4学年 体育「マット運動」 

第6学年 国語「いちばん大事なものは」

第6学年 国語「季節の言葉2~夏のさかり~」 

第6学年 算数「形が同じで大きさが違う図形を  

        調べよう」 

第6学年 算数「割合の表し方を調べよう」 

第6学年 算数「比」 

第6学年 算数「データの特ちょうを調べて判断し

        よう」 

第6学年 理科「植物のからだのはたらき」 

第6学年 音楽「音楽会を成功させよう」 

第5学年 音楽「楽器の音色を生かして演奏しよう」 

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成果①

 育成したい「学びに向かう力」と本時で目指す児童の姿を具体的に言語化したことで、課題設定が明確になり、「学びに向かう力」を高める授業づくりの手順を明らかにすることができた。

九段小で育成したい「学びに向かう力」

本時で目指す児童の姿の言語化

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筆者の挙げる事例について、

互いの意見や経験の違いを認め合いながら、

自分の知識や経験を伝えようとしている姿。

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成果②

 育成したい「学びに向かう力」が活用・発揮されるように、共に考え、話し合いながら行う協働的な活動を設定したことで、本時で目指す児童の姿を見取ることができた

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成果③

 言語によって振り返る活動を設定したことで、その記述から、教師が児童の学びに向かう力の状況を見取り、把握しながら授業づくりを行うことができた。

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課題

  •  全ての教科等での年間を通した指導の中で、どの単元で、どのような学びに向かう力を育成していくのかを明確にし、発達段階に応じた系統性を確保すること。
  •  育成したい「学びに向かう力」において、性格特性BIG5のうち、外向性、協調性、誠実性だけでなく、開放性と安定性に関わる態度についても焦点を当て、体系化を図ること。
  •  授業で児童が記述した振り返りのデータを、児童自身が学びに生かしていけるように指導方法を工夫すること。

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令和4年12月9日(金)公開授業一覧 

▼令和4年12月9日(金)に公開する各授業の学習指導案・授業づくりシートをダウンロードできます。

第1学年

生活

単元名 あそびにいこうよ

    見つけたあきであそぼう

第3学年

総合的な学習の時間

単元名 すがたを変える食べ物 

第5学年

社会

単元名 わたしたちの生活と工業生産 

第2学年

国語

単元名 そうだんにのってください 

単元名 器械運動領域 跳び箱運動 

第6学年 理科

単元名 電気とわたしたちのくらし 

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問い合わせ先

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〒102-0075

千代田区三番町16

Tel:03-3263-0564

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